受験体験記 (Class of 2018)


総合飲料会社 知財・技術開発 38歳・社費・Class of 2018

AGOS様でのインタビューをもとに一部編集しております) 

 

1.留学を志したきっかけ

私は食品・飲料メーカーの研究者なのですが、食品会社では製薬や機械メーカーなどと違って、知的財産が経営資源としてあまりうまく活用されていない。そういったことを体系的に学びたいと思いました。もともと外国で一度働いてみたいというのもありました。本当は仕事で行ければ一番良かったのですが、私の専門の知的財産を活用するセクターがグループの海外拠点になかったため、MBAで行って勉強したい、というのが最初のきっかけです。

 

2.なぜ海外の学校に行こうと思ったか

海外の学校にしたかったのは、海外経験を積みたかったことが大きいです。在籍している業界は非常にドメスティックで、酒税という制度によって新規参入から守られている、非常にクローズドな業界です。特に最近若い人はビールを飲まないので、自社だけではなくて、業界全体がシュリンクしてきています。95年ぐらいから総酒量が下がってきているので、外国に出ざるを得ないんです。 

ただ、海外に出ていくにも、ずっとドメスティックにやっていた業界なので、海外で仕事をできる人材が多くはない。で、会社の方も、そういう人材を早く作りたい、というのがあって。もともと入社した時から海外で働きたかったですし、会社の方向性と合ったのと、自分の知識欲の方向性が「狭く深く」より「広く浅く」だったので、そういう自分の適性もあって、骨を埋める気はないけれども、ずっと日本にいるよりは、色々なところに行ってみたい、と思いました。

 

3.留学先や志望校はどのように絞っていったか

もともとアメリカは一つも受けていないです。アメリカは受ける気がなかったんです。というのは、行った先輩から、アメリカの学校は大半がアメリカ人学生で、基本アメリカっていうカルチャーだよ、と聞いていて。よりダイバーシティがあり、色々な人がいるところに行きたかったので、ヨーロッパがいいだろうと。あと、私は1年~1年半までと期間を指定された社費留学なので、1年制プログラムの多いヨーロッパにしました。

フランスとイギリスとスペイン、3つ受けたんですけども、受かったのがイギリスとスペインでした。ビジットの際に出席させていただいた授業や学生の空気感、東京で行われたフェアでお会いしたOBの方々のお話や、プログラムの内容とランキング、あとはご飯と天候を考えて決めました。

 

4.留学準備プロジェクトのタイムマネジメントについて

一番大事なのは、合格体験記を信じちゃダメということです。これは皆さん大学受験の時に既に学んだはずなんですけど、そういうことはすっかり忘れて、MBA受験始めますって時に合格体験記を一通り読むと思うんですよ。そうすると、3ヵ月ぐらいやると、例えば70点から始まったら、90点ぐらいになってそのあと100点でっていう成功ケースが書かれているんですけど、合格体験記を書いている人は「成功者」なんですよね。で、あれを書けなかった多数の屍が死屍累々と重なっている、という...

丸呑みしてはだめです、ということです。時間には余裕をもって計画した方がいいです。やはり各自でバックグラウンドが違うので、丸呑みせずに自分の力量等を客観的に把握して、計画をきちんと余裕をもって立てるのが大事だと思います。

合格体験記は、そういう例もある、ぐらいにして、たぶんそれって一番成功している例なので、それよりは時間がかかると思って計画を立てていくのが大事だと思います。 

 

―― やはり、自分が想定しているよりもかなり時間がかかってしまいました? 

 

かかりましたね。2014年の9月から始めて、合格体験記を信じて立てた計画ですと、20153月ぐらいには90点を超えていて、で、5月・6月ぐらいには100点かなと。で、そのころからGMATを始めて、GMAT10月・11月ぐらいには650点ぐらい獲得して、20161月に出願、と思っていたんですけど、とんでもなかったです。もちろん、同じスケジュールで同じ先生の授業受けてちゃんと上がる方もいますが。

会社では受験準備をしていることは秘密なので誰にも相談できなくて。人事部と、私と上司しか知らない。1年半で5kgぐらい痩せました。オフィシャルな飲み会以外は全部断って。結構残業をしてしまっていた方なのですが、毎日6時ぐらいには帰って。「あいつおかしいな、あいつ何かやってるっぽい」っていうのは何となく伝わるんですけど、何をやってるかは言えない。結構社費の方ってそうですよね。オープンにできないことが多い。受かったら行けるよっていう約束なので、どこも受からない可能性もありますから。そういう意味で、社費の方はプレッシャーに打ち勝つことも大切です。

 

5.TOEFL/IELTS/GMAT等テスト対策について

TOEFL対策としては、主にAGOSにお世話になりました。ReadingListeningから重点的に始めましたが、私の場合は、Listeningでつながった単語を聞き取るのが苦手だったので、語の変化、音の変化みたいなものを方法論に基づき学習しました。そういう理屈を意識してテキストを見ながら聞くと、音がわかるようになっていきました(二か月くらいは我慢が必要でした)。RLで合わせて50点が取れるようになったころからWritingSpeakingに軸足を移していきました。 Speakingは特に苦手だったので、E4TGにも3か月ほど通い、ほぼ毎日ICレコーダーに話しかけ、聞き直して改善するという苦行をしました。しかし、このような努力もむなしく、90点手前で足踏みが長く続いたため、その後IELTSに転向しました。結局IELTSでも目標スコアを獲得するまで、その後半年以上かかりましたが。

GMATに関しては、濱口塾にお世話になりました。自宅で音声教材が使用できるため、時間を有効利用できると考えたためです。

さきほど、合格体験記を信じちゃいけませんって言いましたけど、一つ信じていいことは、「点数が低くても、最後まであきらめなかったら何とかなりました」っていうのは、これは本当だと思います。誰でも心が折れそうになることがあると思います。そこで最後まで、社費っていうのもあったんですけど、何とかしなきゃってあきらめずにやりきることが大事だということはお伝えしたいです。

 

6.留学・留学後に向けての抱負

単身で来ているので、色々な国際交流ができたらと思っています。行きたい大学に受からせてもらったので、自分のやりたい勉強をきちっとしたいということと、せっかく英語圏ではない国に来たので、英語・中国語に並んで話す方が多いスペイン語を少しぐらい喋れるようになろう、というのも目標の一つです。

ヨーロッパは比較的他の国にも行きやすいので、色々な国のアルコールと清涼飲料の市場や、食文化を見てみたいと思っています。

ドメスティックな業界でしたが、これからは海外でのビジネス展開を加速させようとしているので、できるだけ人脈を広げるというのが、一番大事かもしれません。ESADEだから学べることをできる限り多く学び、世の中に少しでも還元できるような仕事をしていければと思っています。


FMCG(飲料) マーケティング 29歳・私費・Class of 2018

 

Introduction

Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。

大学時にサンディエゴに1年交換留学、その後米系石油会社に営業職として2年半在籍、転職し、欧州系飲料メーカーにマーケティングポジションとして2年ほど在籍しています。全て東京勤務です。

 

Why MBA?

Q.なぜ、MBAに行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)

新卒で働いていたころに自分の仕事への迷いがあり、たまたま紹介されたINSEADboot campのイベントや、JMECに参加したことからMBAに興味を持ちました。INSEADalumniの方にもたくさんお会いして、なんか楽しそうだな~と思ったのを覚えています。また、前職での先輩Columbiaでのマスター取得のため休職されており、そういう姿を見て、もう一度海外に住みたいなーとかじわじわ思っていました。アメリカは行っちゃったから、次はどうしてもヨーロッパに住んでみたいと思っていました。どうせいつか死ぬなら、人生最高に楽しめるところに飛び込む、やりたいことをやるためにわがままに頑張りたい、とも思っています。さらに言えば、一生おもしろく真剣に働き続けるための自信とコミットがほしいと思ったのも理由です。

 

Preparation for MBA application

<概論>

Q.MBAを考え始めてから、実際に受験するまではどのようなスケジュールで準備をしましたか。

2012-2014ぼんやり考え始め、JMECいったり、転職したり。

2015.1 受けるなら今年じゃん?って思い立つ。

2015.3-4 とりあえずTOEFL受ける。自習開始。仕事が忙しくなる。少し落ち着いた頃に有給とりつつ勉強。

2015. 5 IELTSが簡単だという友達の言葉を信じ、IELTSTOEFL両方受ける。とりあえずTOEFL100で終了。

2015.7-8 迷いが生じ、MBA受験勉強やめる。通訳ガイドの試験勉強をし、受ける。

2015..9.10 やっぱりMBA留学行きたいかも!と思ってカウンセラーに会ったりAlumniに会ったりする。GMATの勉強をしてみる。試しに受けて撃沈。

2015.11 YESに行ってみた。塾はやっぱり合わない。ヒルズの図書館に引きこもる。そのうち、図書館に住んでるんじゃないかと思って、気が狂いそうになったので、NZへ2週間ほど旅立つ。

2015.12-1 まだGMATの勉強。お正月は実家で一切なにもせず1週間ほど過ごす。東京に戻り、突然危機を感じる。推薦状の依頼だけとりあえずしてみる。

2015. 1-3 GMATは、点数出る見込みないから、エッセイ書いてからあとで出そうと思って1ヶ月間でエッセイ書く。エッセイ書いてたら忘れた頃に通訳ガイドも合格したのでエッセイに盛り込む。推薦状のドラフトもありてんてこまい。ESADEに提出(バレンタインデーだったな。。)してから3日後くらいにはインタビュー(対面)を受けてた。準備は20分くらいカウンセラーと英語のwarm upをしただけになってしまった。1週間後くらいに合格。もう1校のSDA Bocconi書類も提出。2週間後くらいにスカイプインタビュー。1、2週間くらいで合格。迷う。

2015.4 ESADEに決めた。

 

Q.大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)

QSフェア等はいきました。また、Alumniを見つけてはFBで連絡したりしました。BocconiAlumniわからなかったので、Admissionsの人に日本人を教えてもらって連絡しました。Campus visitはしていません。OB/OG訪問は、MBA受験に迷っていた夏頃にちょこちょこお会いさせていただきました。Web等で過去の体験談を探ったりするのは、モンスターエリートみたいなイメージの人が多く卑屈になりそうだったので生の声を信じました。

 

Q.MBA受験準備にかかった費用について、教えてください。 

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TOEFL: 教材代3

IELTS: 教材代1

GRE:教材代2万(GRE用の単語集含む)

GMAT:教材代10万(マスアカとかOG,Manhattan等)

受験費用30万

YES10

Jeff20

合計:80万くらい 雑費等でもう少しいっているかも。

 

Q.MBA留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。

貯金+家族に頼ります。奨学金は引き続き応募します。

 

<スコアメイク>

Q.以下のそれぞれの項目について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

 

TOEFLIELTS(科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)

TOEFLはひたすら問題の量をこなしました。OG, Barrons等使いました。受けている時にダミーの問題とかがわかってくるので、答えも覚えているのでさっさと解いて時間を稼ぐ。TOEFLの勉強をしていたのでIELTSはほぼ勉強しないで受けました。ライティングが手書きだったので、もう少し何か対策していってもよかったかも。スピーキングが苦手な場合、対面で話せるのでIELTSで受けられるならIELTSを受けてみてもいいかもしれません。

 

GMATGRE(科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)

点数を重視する学校では論外だと思いますが、エッセイや自分のバックグラウンド、提出までのadmissionsとのコンタクト等でなんとかなるかもしれない道筋があれば、たとえ点数が低くてもgive a shotでやっちゃえばいいと思います。

一応簡単に書くと、

GMAT

基本はOfficial guide。ネットでできるGMACからの問題。ManhattanCR。マスアカも使いました。

YESいきましたが、そもそも塾で講義を聞くことに抵抗があるので、そそくさと退散。とはいえ吉井先生の説明は非常に緻密で腑に落ちるものも多く、仕事上役に立っております。また、ここで横のつながりができて本当によかったです。

GRE

単語が鬼難しいですが、数学は割と簡単です。単語が好きとか、読解は得意、とかでGRE OKであれば試してみるのもいいと思います。

でも極論を言えば、あんまりいろんな試験を受けるのは無駄も多いので、できれば絞れたほうがいいなと思います。私の場合点数も結果大差なかったので。

 

Essay & Interview

Q.上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください

何かの集まりでJeffの知り合いに会い、紹介してもらいました。また、私の転職活動を支えてくれるエージェントの方からも推薦されました。もうひとりE4TGJohnにもお会いしましたが、立地的に遠いのでやめました。江戸義塾やReve counselingも紹介されましたが、時期が遅かったので締め切りでした。

詳しいことはみんなのMBAというサイトにも書きましたが、Jeffの感想は以下です。

・家からもオフィスからも近くて時間のロスが少ない

・費用が定額制で安心

・ポジティブ

Editorとしての能力は非常に高い。(必要な文字数に洗練された英語で収める)

・時々固有名詞や字数を間違える。

・自分のストーリーを生かそうとするので、すごくstrategicな感じではない。理詰めの友人のほうが的確にロジカルな構成へのアドバイスをくれた。

・結構雑談が長くて時々不安になる。これがリラックスへと働くときもあれば、GMAT受験前とかだと、や、本題直球でお願いします、とこっちから切り出さないと危うい。

 

Q.以下のそれぞれの項目について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。

 

エッセー

自己分析用にA44枚分くらいのセルフチャートを作りました。そこから自分の転機や考え方等を見つけていき、ストーリーを組み立てました。点数に期待できない私はここが重要だったので、できるだけ多角的に、自分が他の学生と差別化できるところを書きました。また、Alumniの人にエッセイのキーワードを聞いてそれを軸に書いていきました。

 

推薦状

前職での最初の上司、現職での上司に1通ずつご協力いただきました。

私費なので、現職の上司には書いてもらえるかかなり不安になっていた時期もありましたが、非常に協力的なお答えをいただけてよかったです。どちらも下書きは自分で書き、基本的には内容のチェックをしていただきました。前職の上司のまわりにはMBA行かれていた方等もいたので、総動員でご協力いただきました。自分で自分を褒めまくる奇妙な行為、しかもエッセイで書いていないことを書くということでこれも結構時間とられました。

 

インタビュー

ESADE

AdmissionMary1:1対面。自分のバックグラウンドにあった記事+設問(10問くらい)をもらい、SWOTや自分が社長だったらこの状況下でどういう戦略をとるか等の質問に答えられるよう準備。30分か45分くらい?その後その記事について口頭説明。楽しかった!!!現職が飲料業界のマーケティングなので、そのような記事について語る。15分でとの指示だったが結局30分以上話しまくる。すでにinterview時間がほぼなくなり、1問ほどgeneralな質問をされて終了。全体で1時間超くらいだったような。

 

Bocconi

Skype interviewでした。イタリア語なまりのおばちゃん(どうやらAdmissionではない)と非常にゆるい雰囲気で会話。どうしてBocconiなのかしら??のところを割と聞かれたと思う。こちらはオーソドックスな面接という感じ。ちなみに、Pre interviewというビデオインタビューもあり、こっちのほうが緊張した。勝手も分からないまま一発勝負。TOEFLのスピーキングみたいな感じ。

 

Q.エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。

自分のバックグラウンドは、保守的な石油業界と派手な(と世間で見られている)飲料会社での営業とマーケの経験や、JMECや留学中の具体的で細かいInternational episodeを引っ張ってきて、自分の振れ幅や柔軟性をアピールしました。また、面接は得意(と思い込む)なので、変にアピールしようと思わず、普通に話すことを心がけました。

 

<学校選択>

Q.受験校はどのように選択しましたか。

・ヨーロッパに行きたい。

・2年は行きたいけど予算的に難しいので1年くらいの学校がよい

・英語圏じゃないところにいきたい(第三外国語を習得したい)

・フランスやスイスよりもスペインやイタリアに親近感がある(知り合いがいる、発音できる、ご飯がおいしい、人生楽しそう等)

Diversityの担保

・今年、絶対、受かる。(来年まで勉強するだとか準備するだとかありえない)

 

Q.進学校の決め手は何でしたか。 

・バルセロナってなんかいいんじゃないか。直感。海もあるし。

Alumniの知り合いが多い、ネットワークがある

・卒業後、どこかの業界にすごく強みがある、というよりも幅広く可能性があるのではないかと感じた

 

Advice and Messages

Q.失敗談や後悔していること、もっと早く知っておきたかったことなど、今後受験する方々へのアドバイスがあれば教えてください。

私費なので、お金に関する不安がつきまとう方も多いと思うので、そこの腹をくくることは必須だと思います。人生への投資だと。

「試験慣れ」のために試しに受けることはやめたほうがいいなと思いました。時間とお金がもったいない。今までの人生でそれなりにテストを受けてきているはずだし、やればなんとかなるし、慣れてないからできなかったとか実力不足にすぎないなと思いました。失敗も後悔もないですが、予備校等にもっと行っていたら、お金はかかるけど、より横のネットワークが生まれていたのかとも思います。私はあまり王道を生きてきたタイプではないので話についていけない可能性が高いですが。

 

Q. 一言メッセージ

MBA出願を諦める理由(行かない理由)が、行きたい理由よりも大きいならば、スパっとやめて違う道を模索すればいいし、行ってみたいって少しでも思うなら出願すればスッキリすると思います。「無理」って自分で思ったら、そこで終わりですし。私の場合、迷いましたが、通訳ガイドもMBAの受験も両方合格したいし、複数合格して自分で選んで学校を決めたい、って思っていたら結果全部叶いました。無理って思わなかったから。そしてただ、スタートを与えられた今に感謝して、自分が与えられた多大な協力を、残りの人生で恩返しできるように頑張りたいと思っています。欲しい未来があるなら、言い訳とか自分へのリミッターはとりあえずやめてみて、死なない程度に、病まない程度に頑張ってください!!!自分で選んだ未来がきっと一番素晴らしいと思います!!