【Background】
【目次】
1: Introduction
2: Why MBA?
3: Preparation for MBA application
4: スコアメイク
5: Essay & interview
6: 学校選択
7: その他
8: Advice and Messages
9: 一言メッセージ
【Introduction】
Q. バックグラウンドや職務経験などについて、教えてください。
【Why MBA?】
Q. なぜ、MBAに行こうと思ったのですか。(そのきっかけや理由を教えてください。)
カーボンニュートラル、コロナとここ数年の急激な社会変化を受け、不透明さを増す将来に対する危機感。成熟した産業で育ち、何か課題にぶつかると過去事例やマニュアルに立ち返る姿勢が身に沁みついており、自分も業界もイノベーティブに生まれ変わらないといけないと感じたため。また社会人7年目より携わった海外事業で経営目線での事業管理を経験し、それまでの一技術者から視座が上がり、目指すべき姿とのギャップを感じられたこともきっかけとなりました。
仕事以外の面では、人生一度は海外経験をしてみたいと思いながら、機会も勇気もないまま年齢を重ね、コロナで自分と向き合う時間ができたことで、MBAが最後のチャンスと決断できました。子供ができると、「共働きであること(二人ともキャリアを犠牲にしないこと)」「夫婦で子供を育てること」と海外経験の両立は難しく、夫婦ダブル留学でそれを叶えることにしました。
【Preparation for MBA application】
途中から夫も受験することとなったので、8月頃から夫の受験サポートを開始。夫は12月の 2nd roundで合格、その後もGMATのスコアアップに励み、4月に奨学金応募含め全工程終了しました。1年4か月、協力して3歳の娘を育てながらのダブル受験活動でした。出願ギリギリまで、本当にこれだけ大きな投資をしてまで行くのか、決断しきれないまま進めている状況でしたが、勉強に明け暮れ、エッセイで自分と向き合い、心折れそうになるたび情報収集してイメージを膨らませ、走りながら決意を固めていき、その様子を見た夫が感化されたという経緯です。
特にスコアメイクのところは、試行錯誤しましたが、結果的に期間・コストの両面でかなり効率的に終われたと思うので、以下詳細ご参考になれば幸いです。
Q. 大学院や受験方法についての情報収集はどのようにして行いましたか。(Info session, OB/OG訪問、Campus Visitなど)
コロナによる行動制限がある中でしたので、キャンパスビジットやOB訪問はせず、ほぼ全てオンラインで情報収集しました。
Q. MBA受験準備にかかった費用について、教えてください。
合計26万円
TOEFL、GMATとも中国の模擬テストサイト・考満分(無料)との出会いに救われました。詳細は後述。
受験3回 7.5万円
マスアカ・マンハッタン(教材のみ) 合計2万円
Affinity RCコース 8万円
受験2回 5万円
Matthewエッセイ添削+面接練習1回 3万円
Q. MBA留学にあたって、必要費用(受験費用や、進学後の授業料・生活費等)はどのようにして調達しましたか。
貯蓄/ 奨学金
【スコアメイク】
Q. 予備校はどこを利用しましたか?
Affinity RCコース1か月
Q. カウンセラーはどこを利用しましたか?
Matthew
Q. TOEFL/IELTSについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別(R/L/S/W)の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など)
TOEFLも次項GMATも一日サボると勘が鈍るので、都度注力している科目はあっても、TOEFL筋の維持のため毎日全科目に触れることを心がけました。とはいえラスト1か月は体感80%、スピーキングに割きました。TOEFLはIELTSと異なり、自動採点独特の厳しさがあり、一定のテンポで言い淀みや空白なく、文章ごと接続詞で繋いでロジックが構築されていなければならず、時間切れ厳禁(←これらのコツも考満分分析より導き出しました)。5分程度聞いた大学の講義内容を準備時間20秒で1分にまとめる、という形式上、メモ取りにもテクニックがいり、最も訓練が必要な科目でした。ただしかけた時間に対してスコアが上がりにくく、日本人にとっては時間対効果が低いという見方も。
【勉強時間】
Q. GMAT・GREについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。 (科目別の勉強法、使用した塾や教材に対する感想、受験履歴など) "TOEFL3回目受験翌日から頭を切り替えてGMAT着手、こちらも予備校は使わない方針です。まずは数学からマスアカを3周、概要を掴んでからはいったん離れてバーバルに集中しました。SC,CR,RCともマンハッタンのテキストを1周したあとに考満分へ。ここまでまずGMATの世界感に慣れる期間約1か月、最初は問われていることの意味すらわからず精神的にきつかったです。
本格的に問題を解くステージに入ると、ネックの一つは手に入る練習問題の数であり、日本語で検索する限りでは予備校に独占されているため、練習問題を得るためだけに何十万円も払わなければならない現実に直面します。この点中国考満分は、Official Guide、大手海外予備校の練習問題、流出した過去問(?)等が全て無料で揃い、本番形式で練習可能。GMATでも神サイトぶりを発揮しました。
GMATでは英語のロジックが徹底的に追究され、これまで受けた英語教育では全く歯が立たず。解説のない考満分のみでは戦えず、重宝したのがGMAT Clubという無料サイトでした。世界中のGMAT takerと予備校教師が「どうしてこの問題はこの回答になるのか」、喧々諤々議論しており(たまに結論が出せてない)、GMATの不条理を世界の同志と共有しつつ、GMAT脳を鍛え上げました。英語解説がきつい人は予備校という手もあると思います。GMAT Clubで理解したことを考満分にメモしていく地道なアウトプット作業で実力を底上げ。このやり方で、初期は1日数問しか解けない苦しい時期もありましたが、量よりも1問ずつに真剣に向き合う方が近道と思います。2か月後には正答率が上がり、勉強の方向性をスピード勝負に持ち込め、数学対策にも時間を確保することができました。
【Essay & interview】
Q. 上述のカウンセラーに決めた理由、及び当該カウンセラーに対する感想を教えてください
【カウンセラーを選んだ理由】
【カウンセラーに対する感想】
Q. エッセイについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
私が書いたESADEのエッセイタイトルは以下の通りで、何年も変わっていないそうです。(4.5は選択制で他にもオプションがあります)
1. 学業、仕事の経験を通して、どのような側面を改善したか?
2. あなたの仕事以外のバックグラウンドが、他のESADEの学生及び、文化の多様化にどう貢献できるか?
3. あなたが今人生のこの時点でMBAを目指すモチベーションは何か?キャリアパスにおける中長期のビジョンに対し、ESADEのどういうところがその実現に役立つと思うのか?
4. あなたが最も誇りに思うことは?
5. 人生で最大のチャレンジは?
社会人経験が9年ありますのでそれなりにドラマチックなエピソードはあったこと、趣味のバンドや学生時代の部活動など真剣に打ち込んだ時期があり語れるものがあったこと、また途上国バックパッキングの経験などもあったため、ネタ出しには困りませんでした。私はほぼカウンセラーの手を借りず仕上げたので参考になるかわかりませんが、結局エッセイとは、自分の人生をエンターテイニングに他人に伝える自伝であり、アドミは何百通というエッセイに目を通しますので、そこで高評価を得るためにはまず、読み物として客観的に面白い必要があるということを意識しました。物語を面白くするのは、成し遂げた実績の単純な誇示ではなく、そこで何を感じどう成長したか、内面の描写によって読み手の共感を引き出すことだと思います。人生にバラバラに起きた出来事の点と点を線で繋ぎ、将来ビジョンに繋げ、読者を引き込むストーリーを作るために、棚卸のフレームワークとして参考にしたのが、グロービス田久保先生の「志を育てる」という考え方でした。「一定期間(少なくとも月単位)、人生をかけてコミットしたこと」を志と定義し、子供の頃から足元のMBA受験に至るまで、一生懸命頑張ったもの一つ一つ(小志)について、何を目標にし、誰のために頑張り、そこから何を得て、どう次の目標に繋げたのか、整理するところから、将来に向けた大志を言葉にしていきました。アウトプットに際しては、5つのエッセイのトータルで総合的な人物像が伝わるよう、バランスの良い情報のマッピングを心がけました。エッセイを通じてじっくり自分の生き方を深掘りし、自分らしさが俯瞰的に言語化されたことで、これまで当たり前と思っていたことにも価値を見出し自信になったとともに、これからのビジネスシーンにおけるセルフブランディングの基礎となったと感じます。
英訳に関してはとりあえず全てをGoogle翻訳にぶち込んだものをベースに、TOEFL writing、GMATで学んだこと、可算/不可算名詞などの細かい文法から全体ロジックの通し方まで、フル活用してアップデートしました。以前に趣味で海外ドラマの英語を勉強していた時期があり、表現に関しては当時のノートに助けられました。最後はカウンセラー、知り合いのMBAホルダー、同僚の外国人等複数の目で見て頂きブラッシュアップしましたが、概ね高評価で大きな修正はなく、TOEFL writing、GMATでいつの間にか英語力がついたんだなと実感しました。
Q. 推薦状について、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
出願3か月前に、上司にMBA受験の報告とともに、推薦状をお願いしたい旨相談、1か月前より作業開始しました。
【実際の作業】
①ESADEの出願アカウントに上司のアドレスを登録
②上司に題目が届くので、まずシェアしてもらう
③題目に沿って日本語ドラフトを自分で作成
④上司チェック、修正
⑤合意できたら自分で英訳
⑥上司最終チェック、提出をお願い
推薦状作成そのものは滞りなく進みましたが、それまで会社の誰にも言わず、独学なので受験生間の横の繋がり等もなく、一人の世界で突き進んできたところ、推薦状依頼=会社にMBA受験を報告し始めるタイミングとなり、大変ナーバスになりました。純ドメ企業で休職・私費留学がどういう目で見られるリスクがあるのか、今敷かれているレールを捨てる価値は本当にMBAにあるのか、冷静な意見を頂き、留学そのものへの本気度が改めて試され、正直めちゃくちゃ揺らぎました。最終的には「今成長したいと思う気持ちを大切にしたい」と正直に話した結果、個人的に応援して頂き、推薦状にも快く協力頂けました。私はまだ運が良かったですが人によっては私費の場合、推薦状も大変なパートになるだろうな…と思いました。
Q. インタビューについて、準備方法、苦労した点、工夫した点などを教えてください。
ここまでの労力と比べれば遥かに少ないです。会話レベルのスピーキングはもともと趣味の海外ドラマで練習した時期があったこと、エッセイを書く中で内容も英語表現も整理されストックがあったこと、またESADEはあまり変化球の質問はないという話だったので、大きなハードルはありませんでした。想定質問20個ほどに対する回答案を準備、1週間程度で丸暗記で喋る練習をし、本番は覚えたことから組み合わせで乗り切りました。面食らった質問は、「今までで人と相容れなかったことはあるか」。想定しておらずアドリブ対応でしたが、「当時は若くてお互い嫉妬していたところもあった気がする、今なら良いteamになれる気がする」と取り繕わず話したら、「I like your answer」と好感触でした。
Q. エッセー及びインタビューを通じて、自己PRとして、どのような内容をアピールしましたか。
欧州MBAは特に、ダイバーシティを超重要視しており、「日本人女性」+「製造系エンジニア」というバックグラウンドの時点でアドバンテージがある、とは関係者によく言って頂きました。私はさらに、社内では女性エンジニアのパイオニアとしてキャリアをつみ、またライバル企業同士の経営統合(実質的な吸収合併)を経験しましたので、マイノリティの立場からのダイバシティへの理解、自分が大切にしてきたこと等を等身大の言葉で話すことを心がけました(他にもいろいろ書いたのですが、カウンセラーも実際の面接も、このあたりへの食いつきが圧倒的に良かったです)。
【学校選択】
Q. 受験校はどのように選択しましたか。
ESADEに惚れ込み一択でした。
カウンセラーや周囲関係者からはもっとランクが上の学校も狙ってはとアドバイス頂き、迷ったこともありましたが、ESADE以上に行きたいと思える学校が見つからなかったことと、
受験校を増やすたび上司に推薦状を頼まなければならないのが私費生の辛いところでもあり、一択受験としました。
Q. 進学校の決め手は何でしたか。
【その他】
Q. キャンパスビジットを行った場合、実施時期や内容について教えてください。(ビジット実施校、実施時期、実施内容、訪問した人、選考においてどのような効果があったか、など)
なし。
Q. 奨学金に応募をした場合、奨学金の内容や応募方法などについて教えてください。
受験とは別タイトルでエッセイ+推薦状提出、GMATスコアと合わせて総合判断。面接なし。合格後はいつでもアプライ可能。金額は評価によって多少の幅があると思われ、私は15.000,00 €獲得しました。
書類審査+面接審査。アプライ時期は8月と、受験との両立が大変な時期。オーバー30、欧州狙いが応募できる財団系奨学金は限られ、伊藤国際は中でも最も気前がいいのですが、応募書類が鬼すぎました。成績証明書、推薦状に加え、エッセイ関連中心の申請書8枚(全手書き指定!)+英語の研究計画書5枚+学生時代の研究論旨+30歳を超える場合は「今、留学を希望する理由」という別紙も必要。準備期間は相当詰め込んでも1~2か月は見た方が良く、私は娘の世話を親に頼み、お盆休みフル活用でした。8月時点でTOEFL/IELTSのスコアメイクが完了し、これら書類を全部準備できるかどうかの時点で、だいぶふるいにかけられる気がします。支給額は生活費月額US1500~2000ドル相当、渡航費、授業料年間300万円以内
書類審査+面接審査。アプライ時期10月、書類は簡単な履歴書+日本語研究計画書1枚+推薦状+成績証明書、支給額300万円
書類審査+面接審査。アプライ時期10月、書類は簡単な履歴書+エッセイ1本+推薦状+成績証明書(全て英語)、支給額300万円
【一言メッセージ】
日本のMBA受験は、TOEFL/IELTS→GMAT→エッセイ→面接練習と、全てのステップにおいてアウトソースが当たり前のような文化があり、相場が50万~100万円を超える信じられないオーダーで、調べれば調べるほど、英語に自信のない夢見るMBA受験生の足元を見られている…と感じてしまいました。社費生がバンバンこれらのサービスを使うため、私費生がそこと戦うために払わざるを得ない(気がしてしまう)、という構造もあるかと思います。
結果的に私は純日本人でほぼ独学、子育てしながら実質半年で全ての工程を終えることができ、続く夫の受験では予備校もカウンセラーも使わず私のノウハウのみで4か月で合格しました。どんなに大金を積もうと、自分に対するコミットメントが一番あるのは自分です。勉強もエッセイも、常に自己分析しながら「自分で次の一手を決めること」が結局一番近道という考え方もあろうかと思います。
受験費用をとにかく抑えたい方、子連れ受験生の方など、属性の近い方はぜひご連絡ください。